自宅で大きな音を出したいなぁ
防音室といえば、地下室ってイメージだけど、
実際のところ、どれくらいの防音ができるんだろう
楽器を演奏したい、
動画撮影をしたい、など
大きな音を出したい理由はたくさんあると思います
今回は、音の大きさを測定できる、「騒音計」を使って
地下室はどれくらいの防音性があるのか
を検証します
防音室として作った地下室の防音性と、その防音性能を地上階の防音室で再現するための方法
がわかります
地下室の防音性能
地下室を使用していると、
十分な防音性がある、という実感があります
これまで、音の大きさを測定をしたことはありませんでしたが、
今回測定して、
実感どおりの防音性があることが分かりました
また、
地下室の防音性は、地上階の防音室で再現することができる
ということも分かりました
それでは、詳細をお伝えします
防音性能の測定
前提として、
防音性能を測定する地下室は、
防音室として使用するために作りました
なので、参考データとしてください
補足
防音室として使用するために、防音扉、断熱材を使用しています
測定する音
ドラムセットの
- シンバル
- バスドラム
- ドラムセット全体
この3種類の音を測定します
補足
高音、低音、いろいろな音の組み合わせ
それぞれがどれくらい響くかを確認するため3種類の音にしました
測定環境
測定場所は、
- 地下室内:発生する音圧が分かる
- 1階、地下への扉前:地下室の防音性が分かる
- 1階リビングダイニング(以下、1階LD):生活空間への影響が分かる
として、
測定場所で測定した、最大の音圧を測定結果とします
補足
測定結果は、
音圧の単位デジベル(以下、dB)で表示されます
音圧の参考として環境省のHPに掲載されている、
『騒音の目安』を参考にしてください
測定の結果
結果
- 地下室
- シンバル:107.4dB
バスドラム:111.0dB
全体:117.1dB - 1階扉前
- シンバル:48.1dB(−59.3dB)
バスドラム:54.7dB(−56.3dB)
全体:65.6dB(−51.5dB) - 1階LD
- シンバル:37.4dB(−70dB)
バスドラム:51.0dB(−60dB)
全体:54.7dB(−62.4dB)
でした
検証
防音性能
地下室内で測定ができた
ドラムを叩いた時の音圧は、
参考にした騒音の目安にもないレベルの騒音で、
調べてみると、
- 100dB:電車が通るときのガード下
- 110dB:自動車のクラクション(直近)
- 120dB:飛行機のエンジン近く
通常、自宅で出してはいけない騒音です
その騒音がどれだけ減ったのかが、
防音性です
補足
防音性能は、D-○○という単位で表示されます
本来D値は、500Hzの音に対する遮音性能ですが、
今回は各音でどれくらい遮音したかをD値としています
1階扉前で測定した音圧を基準として、
- シンバルの音:D-59.3
- バスドラムの音:D-56.3
- ドラムセット全体の音:D-51.5
の防音性です
高音と低音では、
低音への防音効果は高音に比べると低い
ことが分かります
低音を混ぜた全体の音への防音効果は、
高音のみの防音性に比べて、
8ポイントほど低くなっています
メインの居住空間である1階LDには
最大で54.7dBの音が響いています
補足
騒音の目安から、博物館内の騒音レベルが60dB程度
ここまでのまとめ
- 低音は高音よりも防音効果が薄くなる
- 地下室で飛行機のエンジン近く程度の騒音を出す
→1階の居住空間には、博物館内以下の音しか響かない
となります
防音の目的
防音の目的は、
近隣への騒音による迷惑を防ぐためです
その点では、
防音処置をした地下室でドラムを叩いても、
居住空間に博物館の館内の騒音以下の音なので
全く問題のないレベルでしょう
ただし、
このレベルの騒音を出す場合は
家族の理解は必要です
たとえば、
地下室内で、90dB(パチンコ店内の騒音)程度の音を出したくらいでは
家の中にもほぼ迷惑がかからないでしょう
補足
90dBは、怒鳴り声の音圧です
防音処置をした地下室は、
可能な限り大きな声を出しても、まったく問題ない防音性能です
地下室と同じくらいの防音性を作る
Dr-50〜70という防音性は、
地上階で再現可能か?
答えは非常に簡単です、
できます
Dr-50〜70は高いレベルの防音性能ですが、
地上階にそれ以上の防音空間を作る方法もあります
防音空間を作る方法を紹介します
防音室を制作するメーカーに依頼
このようなメーカーでは、Dr値ごとに防音室の施工方法を確立しています
Dr-○○の工法だといくらと、金額の計算もできます
中には、Dr-75の防音室を作成するメーカーもあります
ですが、これは
仕事として、防音室を必要としているなど、
防音室を作るために
お金をかけられる場合に作る場合が多いものですね
求める防音性によっても違いますが、
Dr-70レベルの防音室であれば300〜400万円は必要になります
防音室を購入
防音室を作るのではなく、
商品として販売しているメーカーから購入
する方法です
防音室になる箱を、部屋に設置する
イメージですね
この場合、
部屋を作るよりは低額になります
それでも、
気楽に購入する金額ではないです
防音性については、Dr-40という商品も販売しています
サイズにより金額の幅はありますが、
60〜150万円というところです
自作
なるべく安く作りたい場合は、
既存の部屋を、
遮音シートと吸音材で囲み、自作の防音室を作る
という選択肢もあります
しかし、自作では、
高い防音性の防音室を作るのは難しいです
中には、Dr-15程度の
防音性を実現した人もいます
Dr-15も効果としては大きいです
人の話し声程度ならかなり低減します
ただし、効果は保証できませんし、
使った金額に対して得られる効果は低いので
自作はおすすめはできません
まとめ
防音対策をした地下室は、
高音と低音で差はありますが、Dr-50〜70程度の防音性でした
チェックポイント
これは、
地下室でドラムセットを叩くと
1階の居住空間には博物館内の騒音以下の音が響く
レベルの防音性能です
しかし、
このレベルの防音性は
地上階の防音室で再現できます
防音室を作る方法はいくつかありますが、
目的と予算によって選択肢が変わります
地下室の防音性に関する記事は以上です
地下室で音を出すのではなく、
静かな環境として興味がある方もいると思います
地下室がどれくらい静かなのかは、
こちらで記事にしています
地下室を作る時に防音性がどの程度なのか、
非常に不安に感じます
そして、地下室ではなく、
防音環境をどう作ろうか検討している方も多いと思います
今回の検証が地下室を作りたい、地下室に興味がある、
そして、防音環境が欲しいという方の
参考になればうれしいです
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